新規事業のアイデア出しには「So what?-Why so?」が効く
前回お届けした記事では自身の生活やビジネスにフォーカスすることでアイデアを生み出していくステップをご紹介しました。
【1日でできる】ビジネスアイデアの出し方を5つのステップで解説
今回は、この記事をより活用していくために必要な「アイデアが出やすい思考法」をご紹介していきます!
目次
視点を変えればアイデアの種は見つかる
アイデアが出ないとお悩みの方は、以下の思考トラップにはまってしまっている場合が多いです。
- 漠然と「アイデアを出そう」としている
- 最初から完成形(100%)を出そうとしている
アイデアはふとした思いつきである原石を磨いて形作られていくものです。
言い換えれば、最初から新規事業を立ち上げるのに充分なアイデアが生まれるのは稀ですから、次の2点を意識して視点を変えることで、柔軟なアイデア出しに繋げてください!
不便、不満に注目する
人が不便に感じる事、もっとより良くなれば良いのにと感じる不満など、あなたの周りの「マイナス」に注目してみましょう。
あなたが起きてから寝るまでの間の生活やビジネスは、もうこれ以上改善の余地のない完璧なものでしょうか?
「マイナス」の大小はあるでしょうが、いくつもの問題点が出てくるはずです。
その問題点はどうすれば解決されるのか?と考えることが、アイデア出しの第一歩です。
視点を広げ俯瞰する
日々の生活やビジネスの中の「不便・不満など」を見直したものの新規事業に繋がりそうなアイデアが出ないといった場合は、
「人・時間・場所」といった要素を変えることで視点を広げて考える方法がオススメです。
これまではあなたの一人称視点で感じる問題点を洗い出してきたと思いますが、これが例えばあなたの家族や友人はどう感じるでしょうか?
会社の同僚や上司、もしくは違う業種の人はどう感じるのだろうか、と思考を膨らませていくのです。
また別の切り口で、時間軸や場所を広げる方法もあります。
一見問題なさそうに見えるコトも、時間が経ったり地域や国が違えば改善の余地が生まれることも多いです。
本質的には模倣するのみで新規事業として成立しているケースもありますね。
「So what?-Why so?」を使って深堀りする
アイデアの種を見つけたら、次はそれを磨いて、新規事業やビジネスに繋がる芽を出しましょう。
そのためには、ロジカルシンキングで使われる「So what?-Why so?」というフレームワークが非常に有効です。
これはそのままの意味で「だから何?」「なぜそうなのか?」という事ですが、対象の事柄に対して繰り返し疑問を投げかけることで、背景や問題点をより深いレベルで考察することが可能となります。
繰り返し行う
このフレームワークを使う際に注意すべき点は「繰り返しこの2つの疑問を投げかける」ことです。
まず一度この疑問を投げかけると問題点や背景が出てくると思いますが、これは一次的なもので、おそらく多くの人が既に気づいている場合が多いです。
この気づきをあなた独自のものにするためには、その一次的要素に対して更に疑問を投げかけることで問題の本質に迫り、他人の気づかない地点に到達することが必要となります。
ブラッシュアップにも効果的
この思考法は、アイデアがある程度形作られてきた後でも、更にそのアイデアに磨きをかける場合にも有効です。
新規で事業を立ち上げる場合には、「本当にこのプランで成功するだろうか?」という疑問と常に戦わないといけませんが、あなたがもう少し確信を持ちたい場合には大きな助けとなるでしょう。
他人の意見を取り入れる
しかし、いくら優れたフレームワークも万能ではありません。
「So what?-Why so?」も同様で、自分ひとりで考えられる範囲には限界があります。
アイデアを掘り下げていくことに行き詰まった場合は、友人やメンターなどに話を聞いてもらいましょう。
おそらく自分では気付けなかった視点がたくさん出てくるでしょうから、それをヒントに思考を広げていくことで、より確固たるアイデアとすることができます。
他のフレームワークと組み合わせる
他人の意見に耳を傾けるのと同様、あなたの思考を手助けするために、フレームワークを色々と活用してみるのも有益です。
以下に、新規事業のアイデアを立案するような場合に有用なものをいくつか紹介しましたので、普段使ったことがないものがあれば是非取り入れてみてくださいね!
- オズボーンのチェックリスト:アイデアをひねり出す為のチェックリスト
- KJ法:アイデアを整序し、問題解決に結びつけていくための方法
- AARRRモデル:サービスの成長段階モデル
- MECE:漏れがなく、かつダブリがない整理された状態
- SWOT分析:外部環境や内部要因を分析する視点
実際に行う際の流れや注意点
ここまでは、アイデアを出す際の思考法やフレームワークの活用など、主に考え方となるベースをお伝えしてきました。
次に、あなたの理解をより深めるため、ケーススタディとして実際の流れに沿ってポイントをお伝えしていきます。
あなた自身の課題に置き換えて、一度一緒にやってみてくださいね!
身近なところに疑問を持つことがスタート
まずはあなたの生活やビジネスの範囲内で、あなたが感じる「不便・不満」なポイントを探します。
見つからなければ、人・時間・場所を変えた状態で想像してみてください。
今回は一例ということで、週2回のルーティンである「毎回クリーニング屋に行くのが面倒だ」という不満をスタート地点として考えてみたいと思います。
自由に発想する
まず、自由に背景や原因、解決策を洗い出します。
マインドマップの中心に課題を起き、そこから思いつくことを派生させていく方法がやりやすいです。
目安として、課題から直接想起される項目を4〜5つ見つけられると、次のステップに移る頃合いです。
今回私はこのようになりました。
- もっと近くに無いのか?
- 定期的に回収と配達に来てくれれば良い
- 自宅洗いで済ますのはダメなのだろうか?
- そもそもクリーニング不要なものを着れば経済的にも楽
- クリーニング屋に行く行為が楽しくなる方法は無いか?
ここでは、フレームワーク例でお伝えしたMECEのように整列されたモノである必要はありませんので、思いついたまま課題解決のアイデアを記載していきましょう。
個々の項目を掘り下げる
次に、一つの項目ごとに「So what?-Why so?」を繰り返し投げかけていきましょう。
イメージとしては、各項目がマインドマップの中心にあるつもりで、思いつくことや背景、原因、理由をどんどん書き足していきます。
ここでは、「自宅洗いで済ますのはダメなのだろうか?」を例で取り上げます。
自宅洗いはダメ?
→ダメ。仕上がりが段違いでキレイだから。→それは技術が無いからで、スチームアイロンを導入してスキルを磨けば出来るようになるのでは?
→試してみるとして、上達するまでの間はクリーニング屋と自宅洗いを併用?
→やり方を教えてもらいたい。しかしわざわざレッスンというのも変だ。
→そもそもクリーニングを代行してくれる人が居たら解決するのでは?
と繰り返し質問していくことで、クリーニングと代行業務という一つのアイデアの種にたどり着きました。
分析して、また掘り下げる
次に、アイデアの種が新規事業となりえるのか、市場調査を行います。
今回の例では「クリーニングに留まらず、自宅の家事も代行してくれたらもっと楽だ」となったと仮定して、「家事代行サービス」がアイデアの種として落ち着くと思いますが、調べるまでもなく既存の大手参入や、個人依頼のポータルアプリなどが多数ヒットします。
今回の例同様に、自社のSWOT分析をかけた上で、結果参入は難しいという判断になる場合が多いかもしれませんが、
何か差別化出来る点が見つかったとすれば、「その点はなぜ他社は行っていないのか?」というところからスタートして、また問題を掘り下げていくステップを繰り返します。
またスタート地点に立ち返り、ルートAからルートBに切り替えるイメージで、色々な方向・範囲に思考を巡らせていきましょう。
まとめ
こうした思考プロセスを何通りも繰り返していくと、意外と世の中には改善の余地があるのだな、と感じることも少なくないでしょう。
それを新規事業のアイデアに繋げられるかどうかは、あなたのトライ&エラーの数にかかっているといっても過言ではありません。
行き詰まったら、他人の意見を聞いてみることやフレームワークを組み合わせることを忘れずに、日々「それでどうした?」「なぜそうなのか?」と投げかける習慣をつけて、どんどんアイデアを生み出していきましょう!