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【返済無し】起業して大丈夫?起業でよくある4つの不安を解消する補助金・助成金を解説

本当は起業したくても、不安ばかりを感じていませんか。

もちろん起業すると、すべての責任は自分で負うことになります。会社や上司が責任を負ってくれたサラリーマンとは180度変わることを考えると、不安に感じるのも無理はありません。

とはいえ、過去に起業して、今も立派にビジネスを発展させている人も、最初から自信満々だったことは稀です。

今回は、起業でよくある不安を4つ紹介し、またその不安を解消できる補助金・助成金についてご紹介します!利用するには様々な条件があるのが補助金や助成金ですが、ここで紹介した中のどれかは必ず、起業の前後で利用を検討できるものです。

(本記事で紹介している補助金・助成金は、2020年に実施中か、実施されたものです。補助金・助成金は、会計年度毎または年度内において、名称や条件や規模が変わることがあります。)

起業の不安その1:起業間もない時期の経費負担

事務所・店舗の家賃や光熱費、通信費、旅費など。起業をすると、事業にかかる経費は自分で管理して、払わなければなりません。
ところが、起業直後は売上が小さかったり、安定しないことが多いです。経費負担が重くなった場合、自己資金を事業に追加するか、運転資金を借入れなければなりません。
そのような状況にならないよう、起業してしばらくは経費負担に、神経をすり減らしている人が多いです。

創業助成事業(東京都)

よくある経費負担の不安を解消する補助金・助成金は、各地方公共団体で実施されていることが多いです。その一つが、東京都の「創業助成金」です。

東京都の創業助成金は、起業を考えている人から、中小企業等で起業後5年以内の事業者が対象です。

ただし、「TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援修了者」「東京都制度融資(創業)利用者」「都内の公的創業支援施設入居者」等、一定の要件も必要とされます。

助成の対象となる経費等は、次の通りです。

助成対象経費
・賃借料
・広告費
・器具備品購入費
・産業財産権出願
・導入費
・専門家指導費
・従業員人件費
助成限度額:300万円(下限100万円)
助成率:3分の2以内
助成対象期間:交付決定日から1年以上最長2年

起業支援金(東京圏以外)

東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)から地方で移住して起業する人を対象とする、「起業支援金」の制度があります。内閣府が設けた支援金で、運営しているのは各地の地方自治体です。

政府による地方創生起業支援事業の一環のため、支援金を受けられる事業は、移住先での「社会性」「事業性」「必要性」の高いものに限定されます。具体的には、子育て支援や地域産品を活用する飲食店、買い物弱者支援などです。

助成の対象となる経費等は、次の通りです。ただし、地方自治体によって異なる場合もあります。

支援対象経費:起業に必要な経費
助成限度額:200万円
助成率:2分の1以内

人口減少が進む地方では、移住のための費用や住居費までも補助する制度を設けている自治体があります。地方で出来るビジネスも多いですので、移住が可能であれば、調べて検討してはいかがでしょうか。

起業の不安その2:顧客を得られるかどうか

起業したら、まず顧客を獲得しなければなりません。前の職場の顧客をたくさん引き継いだような事情がなければ、一から、自分で営業活動を行っていく必要があります。

ほとんどの場合、まずチラシ、パンフレット、看板などのツールを用意します。名刺も必要です。最近では、インターネット広告も利用できます。

このような営業費用も、起業初期では少なくない負担になります。しかしながら、資金を投入した分だけ、顧客が獲得できるとも限りません。そこで、どのくらいの費用をかけるべきか。起業する人は、悩むことが多いです。

小規模事業者持続化補助金<一般型>の概要

営業面の不安を解消する補助金が、「小規模事業者持続化補助金」です。

日本商工会議所が設けた制度で、各地の商工会議所で受付けています。
補助の対象は、従業員20人以下(業種によって異なる)の小規模事業者です。「販路開拓のための経費」に限られた補助金ですが、かなり広範な活動に対して補助が出ます。詳細は、次の通りです。

補助対象経費
・機械装置等費
・広報費
・展示会等出展費
・旅費
・開発費
・資料購入費
・雑役務費
・借料
・専門家謝金
・専門家旅費
・設備処分費(補助対象経費総額の1/2が上限)
・委託費
・外注費
補助限度額:50万円(特定創業支援等に該当の場合+50万円)
補助率:3分の2以内

小規模事業者持続化補助金<一般型>の注意点

小規模事業者持続化補助金は、制限が少なく、多くの事業者が申請しやすいため、使い勝手の良い補助金です。

注意点を挙げるとすれば、補助される「販路開拓のための経費」は、「補助事業完了後のおおよそ1年の間に、売上げにつなげられる事業活動」でなければならないことです。またその活動実績は、報告書として提出する必要があります。

また、2020年の小規模事業者持続化補助金には、<コロナ特別対応型>もあります。<一般型>と<コロナ特別対応型>は、どちらかしか受けられない点も注意が必要です。

<コロナ特別対応型>とコロナ給付金

コロナ特別対応型の、小規模事業者持続化補助金についても紹介します。

小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>は、同じく小規模事業者を対象に、新型コロナウイルスの影響を受けての対応を補助するものです。概要は、次の通りになります。

補助対象経費
・A類型:サプライチェーンの毀損への対応に要する経費
・B類型:非対面型ビジネスモデルへの転換に要する経費
・C類型:テレワーク環境の整備に要する経費
・事業再開枠:感染拡大防止の取組に要する経費
補助限度額
・A~C類型:100万円または150万円
・事業再開枠:50万円または100万円
補助率
・A類型:3分の2
・B類型:4分の3
・C類型:4分の3
・事業再開枠:定額

新型コロナウイルス関連の給付金や融資については、本サイトにも詳しくまとめてあります。ぜひご参照ください。

【無担保・低金利】資金繰りに苦しんでいる方へ!コロナ支援の内容を一覧でご紹介

起業の不安その3:人を雇いたい

起業してビジネスが順調に進むと、従業員を採用する必要に迫られます。

ところが、初めて自分の責任で行う採用は、とても大きな勇気と決断を必要とします。

給与の額は小さくないですし、社会保険の負担が増えます。また、採用が期待通りの結果を生まなかったとしても、従業員を簡単に解雇することはできません。成果による昇給や育成も必要です。

つまり、従業員の採用は、長期にわたるとても規模の大きな投資です。しかし、初めて従業員を採用しようとする時は、まだビジネスが安定しているとは言い切れないため、決断には大きな不安が生まれます。

人材確保等支援助成金「雇用管理制度助成コース」の概要

従業員の採用に対する不安を解消する助成金に、厚生労働省が実施する「人材確保等支援助成金」があります。

この「人材確保等支援助成金」は、申請目的により、7つのコースに分かれています。

また、そのうち6つのコースは、対象となる事業者が、業種や規模によってかなり制限されているものです。したがってここでは、幅広い事業者が対象となる「雇用管理制度助成コース」について解説します。

「雇用管理制度助成コース」は、従業員の「雇用管理制度」を導入することで、助成が受けられます。人材採用に紐づいた助成ではないですが、労働条件面等の整備に対する助成を通じて間接的に、人材採用を支援するものです。

導入する必要のある「雇用管理制度」や助成金額等については、次の通りです。

助成対象となる「雇用管理制度」
・評価
・処遇制度
・研修制度
・健康づくり制度
・メンター制度
・短時間正社員制度(保育事業主のみ)
※以上のいずれか一つ
助成限度額:57万円(生産性要件を満たせば72万円に増額)

人材確保等支援助成金「雇用管理制度助成コース」の注意点

「雇用管理制度助成コース」による助成を受けるには、まず前提として、雇用保険適用事業所の事業主である必要があります。

また、特に注意しなければならないのは、「離職率の低下目標値」が定められていることです。雇用管理制度の導入計画時の離職率に比べて、計画期間終了後1年の離職率が、目標値以上に低下していなければなりません。企業規模ごとの目標値は、次の通りです。

表「雇用管理制度助成コース」で必要とされる離職率達成目標

対象事業所における雇用保険一般被保険者の人数区分 1   ~   9人  10 ~ 29人 30 ~ 99人 100~299人 300人以上
低下させる離職率(目標値) 15% 10% 7% 5% 3%

補助金や助成金は、申請に多大な手間を必要とします。そこで、社労士法人などの士業事務所のサポートを受けることが多いです。基本的に有料ですが、自分一人で申請に何日も費やすのであれば、サポートを検討しましょう。

起業の不安その4:設備投資が大きすぎる

モノを生産したり、高度なシステムを必要とする事業など、起業する業種によっては、かなりの設備投資を必要とする場合があります。

とはいえ、起業しても当面は、事業が安定していないことが多いです。そのような状況での多額の設備投資は、大きな負担になります。

ランニングコストは大きいですし、借入による設備投資であれば返済負担も大きいことが、思い切った設備投資を躊躇する、大きな理由になります。

ものづくり補助金の概要

設備投資の不安を解消する補助金が、中小企業庁が実施する「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」です。一般的には、略称の「ものづくり補助金」と呼ばれています。

補助の対象は、小規模事業者や中小企業です。新しいものづくりやサービス開発、生産性向上のための「設備投資等」への補助が行われます。

補助対象設備投資
・機械装置・システム構築費
・技術導入費
・専門家経費
・運搬費
・クラウドサービス利用費
・原材料費
・外注費
・知的財産権等関連経費
補助限度額:(グローバル展開型は3,000万円)
※「グローバル展開型」は、海外事業の拡大や強化を目的とする設備投資等
補助率
・小規模企業者・小規模事業者:3分の2
・中小企業者:2分の1
※従業員5人以下(業種によって異なる)の事業者は「小規模企業者・小規模事業者」に該当

ものづくり補助金の注意点

ものづくり補助金では、「設備投資等」に補助がなされます。この「設備投資等」は、必ず単価50万円(税抜)以上でなければならない一方、定められた以外の経費等は補助対象外となることに、まず注意が必要です。

また、ものづくり補助金には、賃金や生産性における、かなり厳しい条件も設定されています。具体的には、

「年率3%以上の付加価値額向上」
「事業所地域の最低賃金+30円以上の事業場内最低賃金」
「補助金交付後3年から5年の事業計画期間における、年率平均1.5%以上の給与支給総額アップ」です。

ものづくり補助金は、製造業が対象の補助金の印象も受けますが、全業種が対象で、個人事業主でも申し込めます。

補助金・助成金も積極的に活用して起業しよう

「経費負担」「顧客」「従業員採用」「設備投資」のような、よくある起業時の不安と、それを和らげてくれる補助金と助成金について紹介しました。

他にも起業をすると、全てに責任を持つことに不安を感じたり、孤独を感じたり、プライドを折られたりすることがあります。ですので、受けられる支援は極力受けて、過度に不安を感じたり、落ち込んだりしないようにしたいものです。

本記事に取り上げた助成金・補助金は、起業の前後、もしくはビジネスを拡大できそうな時などに感じる不安を、解消してくれます。できるだけ利用して、本業の仕事に集中することが大事になるでしょう。